こんにちは!がんの治療がスタートしてまだ2週間ちょっと。ちょうど1回目の抗がん剤が終わったので、今回は治療のお金について考えてみたいと思います。がんと診断されると、治療だけではなく、これまでの生活設計の見直しが必要になってきます。
癌になった方の3~5割が、病気後収入が減り、そのうちの6割ほどが収入の7割減となった。というデータがありました。私の場合も仕事を休職することにしたので、大部分の癌患者の方と同様、7割減以下の収入となります。
参考)厚生労働省 第2治療と職業生活の両立等の支援に関する検討会 平成24年3月
乳がんの治療は一般的に5年で150万円以上はかかると言われていますが、ステージやサブタイプ、治療方針によって、掛かるお金も変わってくるようです。
この記事はあくまで「私のケース」になりますが、今後に備えるためにも纏めて、随時更新していこうと思います。
前提として、治療中の収入の変化
うちは夫婦共働きで、子どもが二人います。(二人とも現在小学生)乳がんが分かって、私は会社の上司と相談し、しばらく仕事をお休みすることにしました。
抗がん剤は2回目以降は通いでできるとのことで、先生からは「仕事をしながら抗がん剤を受けている人も多い」と聞いていましたが、私の場合会社の福利厚生の制度がしっかりしていたので、上司の勧めもあり、今回は思い切って治療に専念することにしました。
有給休暇や会社の病気特別休暇を利用して、2か月ほどは収入は通常と同じ。
それ以後は、会社加入の健康保険組合の制度を利用して、収入は通常の2/3ほどに減る見込みで、この期間は最長1年6ヵ月継続できます。収入減とはなりますが、合計1年8ヵ月の期間お金が入るということは精神的にも大きな安心になりました。
【おさらい!】まず初めに乳がんの診断状況
今の私の乳がんはこのような状況です。
ステージ | ステージⅡ のどこか 病理診断が待たれる |
腫瘍の大きさ | 3.5㎝ MRIで情報更新予定 |
ホルモン受容体 | 陽性 |
Ki-67 | 30% 病理診断で結果を更新予定 |
HER2 | 2+ グレーな検査結果。病理診断を再度実施中 |
リンパへの転移 | 今のところ確認できず CTの結果、転移の可能性は高くない |
今後の治療予定は、次の通りとなっています。
- 抗がん剤治療:1回目/6回中
- 手術:2021年2月頃!?
- ホルモン治療:2021年3月くらいから?10年間
- 分子標的療法:まだ未定
乳がんの治療方針は、以下に詳しくまとめていますので詳しくはそちらを見てください!
今までにかかった治療費
治療を始めて2週間。今までに掛かったお金をまとめてみました。
カテゴリ | 主な目的 | 治療状況/予定 | 支払った金額 |
---|---|---|---|
乳がん 検診 | 乳がんの診断。また、乳がん のサブタイプの診断も実施 | マンモグラフィ、病理診断、 MRI、CT、などを実施 | 5万円 |
抗がん剤 | 再発率・死亡率を低下させる ことが目的。微細ながん細胞が 体中に転移することを予防する。 | EC療法開始!腫瘍が3.5㎝だった ため先行して抗がん剤治療から スタートすることに | 6.2万円 <1回目/6回中> |
手術療法 | がんを手術によって切除する。 部分切除と全切除がある。 | 手術を予定。 全切除になるのか。 | これから |
ホルモン 療法 | 女性モルモン依存性の乳がんに 対して、再発・進行を防ぐ | 手術後に開始予定。 詳細は未定。 | これから |
分子標的 療法 | HER2陽性の乳がんに対して、 がん細胞が持つ分子を攻撃し、 がん細胞の増大を抑制する。 | HER2 再検査中。 調査後に決定。 | 未定 |
合計(2020年8月-9月) | 11.2万円 |
8月に癌の疑いで、病院に行った時は、判定のための検査で、マンモ・超音波・針性検を行いました。9月は抗がん剤1回目を入院で受けました。ベットの差額代8800円×2日分が含まれています。また、あと追いになりますが、MRI、CT、HER2病理検査代などが含まれています。
入院は1泊2日なので、宿泊代と考えて1泊分の金額なのかな。と思っていたんですが、2日分とられてしまうんですよね~(‘◇’)ゞ
この期間はほとんど電車にて移動。今後はタクシーも利用しそうです。(タクシーなんて、勿体ない~。とまだ使ってなかったんですが、癌経験者さんから、電車で移動がしんどい時は、タクシーも医療費控除の対象になるようです)
乳がん診断
人間ドッグで再検査の診断が出て以降、サブタイプの確認までに何度か再検査を行いました。
- マンモグラフィー
- 乳がんのX線撮影。脂肪、乳腺、乳がんを区別して写し出す。私の場合は、乳がんの特徴である石灰化が見つかってしまいました。
- 超音波
- 乳房内の病変の有無、しこりの性状や大きさ、わきの下など周囲のリンパ節への転移などを調べる。ここでリンパへの疑いありとの診断。
- 病理診断(針生検)
- 乳がんの性質を調べ、サブタイプの確認する。2週間経ちましたがまだ結果が出ていません。
- HER2遺伝子検査
- 初回の病理で判定2+(グレー判定)であったため、再検査中。
- CT
- 骨や肺などの別の臓器に転移の有無を確認。今のところ、その兆候は見つかっていません。
- MRI
- 乳がんの腫瘍の広がりを検査。ただいま結果待ち。
乳がんの診断からサブタイプの確定まで何度も診断を行いました。
診断費用
診断費用 :5万円程度
合計5回の診断でこの金額。1回の診察当たりは5千円~1.5万円でした。
抗がん剤治療
抗がん剤(EC療法)の治療は、初回は入院と抗がん剤セット、その後は通院での投与となる予定です。初回の抗がん剤は副作用で苦しみました。
抗がん剤の金額
入院費用 :1.9万円
抗がん剤費用(1回目) :4.6万円
2回目以降は通院での投与となるため、4万円前後の金額になるのかな、と予想しています。1回あたり4万円とすると合計6回で24万円程度の自己負担金額になる想定です。
手術
部分切除か全切除か、また乳房再建をするかどうかによって大きく金額が変わってくるようです。こちらについては、手術の際に改めて更新したいと思います。
ホルモン治療
先生から期間は10年間になる。と言われていますが、まだ内容は未定です。治療を納得して受けたいので、今後セカンドオピニオンも検討しています。
がん保険には入っていないのです!
治療費の前に前段となりますが、私の家では全く何の保険にも入ってません。保険に入るお金があれば貯金しよう!という思いでしたが、ここまで早くがんになってしまうとは。。
既に乳がんになってしまったので、今更なのですが、もう一度今の保険を見直ししてみようかと思っています。そもそも保険が必要なのか、入る場合にどのような保険を利用すべきか、加入している保険を見直すことも含めて相談してみようと思ってます。
次に公的な控除、会社の保険組合の制度を詳しく調べてみました。がん保険に加入していない場合も、手厚い制度がいくつもありました。保険組合については1社1社異なる内容となると思いますので、ご参考程度にどうぞ!
高額療養制度
高額療養費とは、1か月にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。
限度額は世帯の所得によって異なり、例として、月額の所得が28~50万円の標準的な世帯で9万円程度とのことです。この場合、同一月の医療費として約9万円以上を支払ったとしても、約9万円を引いた差額が後日払い戻されるそうです。
私の場合入院が決まった時点で高額な支払いをするかも!と思い、どうしたらいいか、会社が加盟している健康保険組合の窓口い問い合わせしたところ、限度額以上の支払いをしなくて済むように「限度額適用認定証」を発行してもらいました!
事前に事前に高額になることがわかっている場合は、病院へこの認定証を提示することで、払い戻しの手続きの手間もなくなるので、ぜひ事前の申請をしてください。なお、高額療養費は同一月で計算するそうなので、月がまたがる場合は計算対象が別となります。
支払えないときは貸付制度も利用可能
医療費が高額で支払えない場合は、無利子で貸付してくれる制度もあるようなので、ご自身の加入の健康保険を確認してみてください。自治体の助成も調べましたが、私の場合は、350万円までのローンに対し利子相当額を最大10年間助成する制度がありました。
収入が途絶えたときに傷病手当
会社の健康保険に加入していることが条件で、傷病手当金がもらえます。これは労災ではない怪我や病気で業務遂行が困難な場合、標準報酬日額の3分の2が最長1年6ヶ月まで支払われます。
支払いには要件がありますので、会社の総務・人事、健康保険組合に相談しましょう。抗がん剤の副作用で自宅療養する場合も傷病手当金はもらえるとのこと。私の場合はこちらを選択する方向になります。
医療費控除
年間の医療費の自己負担分が10万円を超えた場合は医療費控除が受けられます。通院時の交通費も医療費控除の対象となあります。同一世帯の医療費は合算することができるそうです。
乳がんになると、治療費の以外にも、ウィッグ、ケア帽子、専用下着、通院のための交通費などもかかります。また副作用で自炊が難しくなり、食費がかかるようになった、という方も。長く続く乳がんLIFEを心地よくするためにもお金は上手に使っていきたいですね。
自治体によっては、ウィッグの購入費用の一部を補助するところもあるようです!私の場合は残念ながらありませんでしたが、一度、お住まいの自治体に問い合わせてみるのもよいでしょう。
がん制度ドックで「お金」の制度をチェック
自分のがん情報を入力すると、利用可能なお金の制度がチェックできるサイトです。私の場合もここで調べてみました。

お金は確かにかかるけれど・・・
私はがん保険に加入してなかったため、「がんになったら300万くらいかかってしまうかも!」と不安が大きかったのですが、実際日本の「高額療養費制度」は心強い存在でした。
治療に関して、お金は確かにかかってしまいますが、上限があるということでどんどんお金が掛かってしまう~という状況に陥らないというだけでも助かります。
以下に参考までに年収に対する限度額を載せておきます!

参考)厚生労働省 高度療養制度を利用させる皆様へ(平成30年8月診療分から)
まとめ
病気によって、人生の「お金の問題」が全然変わってしまったので、改めて再計画が必要となりました。何事も波風立たない人生など無い。ピンチはチャンスだ!
精神的には前向きにいきたいとことですが、精神の安定にはお金の心配があまりない状態がベスト。大事なお金のこと、今後も考えていきたいです。
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